一般皮膚科

ニキビとは

毛穴の詰まりはニキビの初期段階といわれ、原因としては、ストレスや睡眠不足・乾燥・加齢に伴う皮脂の活性化・月経などが考えられます。毛包の出口が詰まり、毛穴に皮脂が溜まってアクネ菌が増殖して炎症が引き起こされることでニキビになります。ニキビの中でも炎症のあるニキビ(赤ニキビ)を早く治すことでニキビ跡の予防につながります。

ニキビの治療

主な治療は、外用薬や内服薬による薬物療法です。治療状況に合わせて、ビタミン剤や漢方の処方も行います。ほとんどのニキビは保険診療内で改善が期待されますが、中には自費診療の治療を必要とする場合もあります。治療価格や症状などから、患者さま一人ひとりに合わせた治療をご提案いたします。


アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、繰り返す痒みを伴った湿疹のことをいいます。ご家族にアトピー性皮膚炎を患う方や、既往歴にアレルギー性鼻炎や喘息といったアレルギー体質をお持ちの方に多くみられます。小児期に治る場合もありますが、成人以降もかゆみが続く場合や、成人後に発症する場合もあります。近年では、アトピー性皮膚炎は皮膚の保湿因子の遺伝子異常と指摘されています。

アトピー性皮膚炎の治療

主な治療は、ステロイドなどの外用薬・抗アレルギー薬の内服・保湿です。ホコリやダニなどのアレルギーをお持ちの場合、それらのアレルギー症状によって皮膚炎が悪化する場合があるため、生活環境を見直すことも大切です。当院では保険診療内でアレルギー検査(39種類)をおこなっており、一度の採血で検査ができます。 


蕁麻疹とは

皮膚が一時的に赤く腫れ上がることをいいます。ほとんどが痒みを伴い、重症になると血圧低下や呼吸困難などを引き起こす場合もあるので注意が必要です。
原因は、食べ物などのアレルギーや感染・ストレスなどですが、特定できないことがほとんどです。

蕁麻疹の治療

急性蕁麻疹の主な治療は、抗ヒスタミン薬などの内服です。また、場合によってはステロイドなどの外用薬が必要になります。
アレルギー検査はもちろん、原因と考えられる基礎疾患や感染症が隠れていないか採血検査をする必要があります。


いぼとは

いぼとは、皮膚に盛り上がってできる小さな突起物のことで、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」といいます。
ウイルス感染によるものと、加齢や体質によってできるものがあります。主に、ウイルスが原因のいぼは尋常性疣贅、加齢や体質が原因のいぼは老人性疣贅(脂漏性角化症)・軟性繊維腫などに分類されます。
尋常性疣贅は皮膚にヒトパピローマウイルスが感染して生じます。いぼの中に小さな血管があり、内部に小さな黒い点があることが特徴です。手の指や足裏などの小さな傷から感染することが多いですが、体のあらゆる箇所に起こります。
老人性疣贅は脂漏性角化症とも呼ばれ、顔や手の甲・胸・背中・腰などにできる良性のいぼです。皮膚の老化や紫外線の影響で表皮のメラニン色素が増え、皮膚が厚くなることによってできます。
軟性繊維腫はアクロコルドン・スキンタッグとも呼ばれ、年齢や紫外線・摩擦などのダメージ・遺伝的な体質に関わると考えられています。

いぼの検査

基本的には、見た目で診断が可能です。さらに詳しく診察するために、特殊なルーペであるダーモスコープを使用します。見た目で診断できない場合には、病変を切除し病理組織検査を行うことがあります。

いぼの治療

主な治療として、液体窒素などで凍らせる凍結治療があります。 1回では治らない場合も多いため、2〜3週に1回治療を行います。
また、炭酸ガスレーザーを用いて切除する治療や内服薬が有効な場合もあります。いぼの種類に合わせて検査・治療を行います。


ほくろとは

ほくろは母斑細胞の増殖による皮膚良性腫瘍です。自然にできるものであり、詳しい原因はわかっていません。ほくろと似た悪性腫瘍もあるため、見落とさないようにすることが大事です。

ほくろの検査

ほくろを良性か悪性か診断する方法として、一般的にはダーモスコープという特殊なルーペを使った検査法があります。詳しく検査をする必要があると判断された場合は、病変を切除し病理組織検査を行います。

ほくろの治療

ほくろの治療はCO2レーザー(炭酸ガスレーザー)を用いたものか、外科的な切除による治療があります。ほくろの性状に合わせて治療を選択します。
切除が必要な場合は形成外科等適切な病院を紹介させていただきます。


たこ、うおの目とは

足の変形や歩行の異常・合わない靴を履いて長時間歩くなど、特定の箇所に慢性的な刺激が続くことで、たこ・うおの目になります。たこは、角質が厚くなったもので、うおの目は中央にくさび形に芯を持ち、激しい痛みがあるものになります。

たこ、うおの目の治療

主な治療は、サリチル酸絆創膏を貼るか、特殊な器具を使って削るかになります。刺激になる原因を取り除くことも大切です。


水虫とは

水虫は、白癬菌による感染症です。足の水虫を想像されるかもしれませんが、頭部・顔・体部・爪・手・股など体の様々な箇所に感染します。水虫は4〜5人に1人がかかっていると言われており、その中でもかゆみを生じる方は1割程度です。

水虫の治療

白癬菌は、菌が皮膚に付着して温度と湿度が高い状態が12〜24時間保たれた時に発症します。主な治療としては、抗真菌薬を使用していきます。内服による治療を行う際は、定期的に血液検査をします。外用薬を使用する際は、適切な量を継続的に使用していきます。ご家族に水虫の方がいらっしゃる場合は、スリッパやバスマットなど、同じものを使用しないように気をつけましょう。お風呂で丁寧に足を洗って感染を防ぎましょう。


ヘルペスとは

疲労や風邪の際になりやすく、単純ヘルペスウイルスの感染や再発によって、粘膜や皮膚に水疱が起こります。体のどこにでも感染しますが唇の周囲にできることが多く、口唇ヘルペスといいます。アトピー性皮膚炎の症状が強い方は、広い範囲に起こります。

ヘルペスの治療

主な治療は、抗ウイルス剤の内服と外用薬の使用です。早期の治療が症状を軽くし、治療期間を短くします。


帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって生じます。過去に水疱瘡にかかった際にウイルスが神経節内に潜伏し、免疫が弱った際に皮膚症状を引き起こします。最初は痛みや違和感から始まり、次第に赤みや水疱(水ぶくれ)を形成します。水疱が破れると痂皮(かさぶた)化していきます。また、基礎疾患や年齢によっては、帯状疱疹後神経痛を起こす可能性もあり注意が必要です。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹後神経痛のリスクを減らすため、早期の治療開始が重要となります。
主な治療は、抗ウイルス剤や痛み止めの内服になります。また局所の炎症を抑えるためステロイドなどの外用薬を併用します。重症の場合は点滴による治療が必要となることもあり、顔に起きた場合や皮疹が広い範囲で生じている場合には、高度医療機関をご紹介させていただきます。


脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎は頭や生え際・顔面など、皮脂の分泌が多い部分に生じる湿疹です。患部は赤みがあり、頭皮に炎症が起こるとフケが出ます。脂漏性皮膚炎の発症には、皮膚に常在しているマラセチアの一種が関与していると言われています。マラセチアが、皮脂に含まれているトリグリセドを遊離脂肪酸に分解し、その遊離脂肪酸が皮膚の炎症を起こすことが原因と言われています。

脂漏性皮膚炎の治療

脂漏性皮膚炎の主な治療は、ステロイド外用薬や抗真菌外用薬の使用です。また、皮脂の分泌を抑えるためにビタミンB2やビタミンB6を、ひどいかゆみを生じている際には抗ヒスタミン薬の内服を併用します。


アレルギー・花粉症とは

人間の体には、細菌やウイルスなどの異物が侵入してきた際に、外部から入ってくる刺激を攻撃するための免疫機能があります。アレルギー反応は、体に害を与えないものでも有害物質であると判断してしまい、過剰な反応を起こすことで生じます。花粉症もアレルギー反応のひとつです。

アレルギー・花粉症の検査

アレルギー症状を起こす原因であるアレルゲンは、食物や花粉・カビ・ダニ・ハウスダストなど様々です。採血検査をすることで、何に対してアレルギーがあるかを調べることができます。当院では一度の採血で39項目のアレルギー検査を行うことができます。アレルギー検査を行うことによって、適切な治療につなげられます。

アレルギー・花粉症の治療

今まで内服薬でも効果がなかった方もご相談ください。数種類の内服薬や点鼻薬・点眼薬を組み合わせることにより、対応させていただきます。
花粉症であれば、花粉の飛散が開始する2週間前から薬を服用するようにしましょう。症状が現れる前に薬剤を服用することで、軽い症状で済むことが期待できます。


接触性皮膚炎とは

接触性皮膚炎は原因となる物質が触れることでかゆみを伴う皮疹です。原因として、化粧品やヘアケア用品・日焼け止めの成分・香水・金属製の装身具・衣類・家庭用の化学薬品・動植物などが知られています。接触性皮膚炎の疑いのある際には、皮疹部分に関わりのある生活用品などの見直しをご提案します。

接触性皮膚炎の治療

接触性皮膚炎では、原因となる物質を特定し、その物質が皮膚と触れるのを避けることが必要です。その上で、対症療法として内服薬や外用薬を処方いたします。接触性皮膚炎は、命に関わる深刻な症状を引き起こすこともあるため、適切な治療を受けるようにしましょう。


円形脱毛症とは

円形脱毛症は、突然丸く髪の毛が抜けてしまう病気です。毛髪のある箇所であれば、場所を問わず起こる可能性があります。髪の毛が抜ける前や活動期に、かゆみや赤みを生じます。毛包組織に対する自己免疫疾患と言われており、その免疫機能の異常を発生させる要因としては、疲労や感染症などの精神的・肉体的ストレスなどが知られています。

円形脱毛症の治療

小さな範囲の脱毛には、ステロイドなどの外用薬や内服治療が有効です。また、アトピーをお持ちの場合には抗アレルギー薬を服用します。
広範囲の脱毛には、局所免疫療法や冷却療法、紫外線療法を行います。


汗疹(かんしん、あせも)とは

汗疹とは、汗管が詰まることで皮膚に水疱や丘疹(きゅうしん)を生じます。汗をたくさんかくことで皮膚の表面の水分が増え、汗や細菌が混じって汗管をふさぐ原因となります。

汗疹の治療

汗疹は、肌を清潔に保つことで自然に治ることも多いです。かゆみを伴う場合には、ステロイドの外用薬やかゆみ止めの内服薬を使用します。症状が悪化して多発性汗腺膿瘍と言われる状態になると、抗生物質の内服を行う場合もあります。


口内炎とは

口内炎とは、口腔内の粘膜に生じる小潰瘍やびらんを指します。物理的な刺激で口腔内が傷つき、同部位に細菌感染を起こすことが原因となります。また、肩こりなどの血流障害や胃腸障害・ストレス・ヘルパンギーナや手足口病などのウイルス感染症、ベーチェット病なども原因となります。口内炎を何度も起こす場合には、速やかにご相談ください。

口内炎の治療

口内炎の治療法は、ケナログ・アフタッチやサルコートといわれる外用薬・イソジンガーグルなどの殺菌によるうがいをご提案しています。また、漢方薬の内服も効果を期待できます。